*(本稿は「目次構成および必須要求文面」の原案です。実際の調達にあたっては、本稿の内容を参考に、自治体の様式に合わせて作成してください。)*
1. テンプレート概要
本テンプレートは、自治体(教育委員会)が「NEXT GIGA」に伴う1人1台端末の更新や、校務支援システムのクラウド移行等をベンダー(システムインテグレーターや通信事業者)へ調達・発注する際に活用可能な「RFP(提案依頼書:Request for Proposal)」の標準雛形です。
単なるハードウェアの「スペック要求」に留まらず、ネットワーク障害、保守対応の遅延、データ消失等のリスクを低減するための「5つの非機能要件(SLA、キッティング範囲、データ移行、セキュリティ証明、研修要件)」を網羅した、行政実務における堅牢な仕様設計となっています。各自治体の基本情報や数値を補完することで、実案件の調達仕様書として活用可能です。
2. テンプレートの構成目次
標準的な構成は以下のとおりです([]部分は各組織の実数値を定義する箇所です)。
- 調達の目的と背景
1.1 調達の趣旨(GIGA第2期、クラウドバイデフォルトの実現等)
1.2 導入対象となる学校および台数規模
- 要求事項(端末・ネットワークに関する要件)
2.1 ハードウェア要件(最低スペック要件、堅牢性基準、予備機[15]%の担保等)
2.2 ネットワーク統合要件(「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」を踏まえた構成)
- 要求事項(機能要件・データ標準化)
3.1 校務・学習データのシームレスなシステム間連携
3.2 「文部科学省教育データ標準」等へのAPI準拠要件
- 【重要】役務要件(キッティング・導入作業)
4.1 アカウントの一括プロビジョニング、MDM登録、資産管理ラベルの貼付
4.2 既存システムからのデータ移行に係る責任分解点の明確化
- 【重要】運用・保守要件(SLA:サービスレベルアグリーメント)
5.1 障害検知から初動対応までの制限時間(例:[24]時間以内の代替機発送確約等)
5.2 ヘルプデスクの設置要件(教員からの直接的な問い合わせ対応の可否等)
- 情報セキュリティ要件
- 研修および定着支援要件
7.1 導入時研修(全教員対象)および次年度以降の継続的フォローアップ方針
- 提出書類および評価基準(プロポーザル方式等の場合)
3. トラブルを未然に防ぐ「必須要求条文」サンプル
調達後のトラブルを回避するため、本テンプレート内から特に法務・要件定義上有効な条文(抜粋)を紹介します。
サンプル要件A:包括的作業条項(追加費用の抑止)
第〇条(作業範囲の補完・包括規定)
「本要求仕様書に明示されていない事項であっても、本システムの目的(日常的かつ安定的な教育活動の継続的遂行等)を達成するためにシステム上あるいは運用上当然に必要となる軽微な機能追加、設定変更、連携作業等については仕様に含まれるものとみなし、原則として受注者の責任および費用負担において実施すること。」
サンプル要件B:パフォーマンス要件(教育活動停止の防止)
第〇条(パフォーマンスの保証水準)
「学習系ネットワーク環境において、1教室内(最大[40]台)の端末が特定の学習アプリケーション(動画再生・ドリルソフト等)へ一斉にログインおよび同時操作を行った場合においても、画面のフリーズや著しい遅延(ログイン処理に[10]秒以上を要する等)を発生させることなく、円滑な授業進行が可能なネットワーク帯域およびルーティング性能を確保・実証すること。」
サンプル要件C:出口戦略・ベンダーロックイン防止要件
第〇条(契約終了時のデータ返還および消去義務)
「契約満了時、または本システムから他システムへ移行する際、受注者は市(教育委員会)が指定する汎用フォーマット(CSV等)により、追加費用を請求することなく速やかに全データを抽出・提供すること。また、移行完了認定後は、復元不可能な手法により確実にデータをサニタイズ(消去)し、データ消去証明書を市へ提出すること。」
ヒント
管理者、管理職、自治体の情報担当者の皆様へ
本RFPテンプレートは標準的な調達要件のモデルケースを示したものです(※1)。実際の調達プロセスにおいては、各自治体が定める「財務規則」や「契約事務規則」、および入札参加資格審査の諸規定と必ず照合し、法務・契約部門のレビューを適宜実施した上で運用してください。
注釈・出典
※1 本テンプレートは、筆者が実務で関わった調達の経験と、各自治体が公開しているRFP仕様を参考に構成したものです。特定の刊行物を典拠とするものではありません。
ご相談・お問い合わせ:お問い合わせフォーム(メールの場合は contact@koumulab.jp/校務改善ラボ)

