保護者向け クラウド利用同意書のサンプル文面

利用同意書サンプル
目次

1. テンプレート概要

公教育における1人1台端末および統合型クラウドサービス(Google Workspace for Education や Microsoft 365 Education等)の本格運用を開始するにあたり、個人情報保護法規や各種コンプライアンス要件に準拠する観点から、各家庭(保護者)より取得が求められる「アカウント環境の生成・利用に係る同意書」の標準雛形です。

単なる「クラウドサービスの利用許可」を求めるのではなく、「どのようなデータが、どの対象システム等に保存され、いかなる指定目的の下で利用・管理されるのか」のプロセスを専門用語を最小限に抑え明示化しています。これにより、保護者からの「データ取扱に関する事後的な懸念・クレーム等の発生」を未然に緩和する法務要件の機能を果たします(※1)。

同じ課題を実際にどう減らしたかは、次のページで説明しています。
RFP作成と補助金の解説を見る

2. 同意書サンプル本文(保護者配付用)

以下は同意書の文面例です。学校名およびサービスプロバイダー名を環境に合わせて変更し、紙面配付(またはフォームツールを用いた電子承諾)用途としてご活用ください。この記事に掲載している文面がすべてで、ファイルの配布は行っていません。


教育用クラウドサービスのアカウント作成および利用に関するご案内と同意のお願い

保護者 様

平素は、本校の教育活動に対し多大なるご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、本校においては「GIGAスクール構想」に基づき、児童生徒1人1台端末を活用したICT学習活動を推進しております。この度、より円滑で効果的な教育環境基盤を整備・提供するため、以下の教育機関向けクラウドサービス(以下「本サービス」)を利用する運びとなりました。
本サービスの利用開始にあたり、児童生徒ごとに専用の「アカウント(システム利用ID)」を発行・作成する必要がございます。つきましては、下記の利用定義および個人情報の取り扱い規定についてご確認いただき、内容にご同意いただける場合は、末尾の同意書をご提出くださいますようお願い申し上げます。

記

1. 運用対象となるクラウドサービス

  • Google Workspace for Education Fundamentals(Google LLC 提供)
  • ※自治体導入環境により Microsoft 365 Education 等へ適宜修正してください。

2. アカウント作成において登録する対象情報
本校(教育委員会)は、アカウントの作成および認証プロセスを目的としてのみ、以下の情報をサービス提供事業者(Google LLC 等)のシステム環境へ登録いたします。

  • 姓名情報(氏名)
  • 児童生徒を対象としてシステム識別するための内部ID(学籍番号等)
  • 学校名、学年、クラス情報
  • ※本サービスは教育機関向けに独立運用される専用環境であり、登録された個人情報や学習ログデータ等のいかなるデータも、サービス提供事業者側によって広告配信(ターゲティング広告等)の目的で利用されることは規約上排除されております。

3. 情報の利用目的
発行されたアカウントおよび本サービスは、以下の教育目的に限り利用されます。

  1. 授業および家庭学習時におけるデジタル教材の配付、課題の提出、評価テスト等の実施
  2. 児童生徒間の共同学習プロジェクトにおける意見交換および共有資料等の作成
  3. 学校組織から児童生徒に対する連絡通知、ならびにオンライン等の遠隔学習環境の提供
  4. 教職員による学習進捗・状況(システム上の学習ログ等)の客観的把握と、これらを根拠とした個別最適な学習指導の改善業務

4. 遵守事項・プラットフォーム利用上の注意

  1. アカウントの認証キー(パスワード等)は、システムを利用する児童生徒自身および保護者において厳重に管理し、第三者への漏洩や貸与を行わないようご家庭における指導へのご協力をお願いいたします。
  2. 本システム・アカウントを利用して、学習目的からの逸脱(教育と無関係な私的SNSへの登録、有害サイトの閲覧、他者に関する不適切な書き込み等)を行うことは利用規定において固く禁じられております。
  3. 教育委員会および当該学校機関は、児童生徒をサイバーインシデント等の脅威から保護し、適切な学習環境を維持・継続するため、必要性があると判断された場合において、本サービス内で実行された通信履歴やクラウド上の保存データを管理等の視点で閲覧・確認する権限を留保します。

5. アカウント管理の有効期限とデータの消去等
対象となる本アカウント環境は、対象児童生徒が本校を卒業(または管轄外へ転出)したタイミング等において、教育委員会または学校の定める消去手順に基づき速やかに無効化処理が適応され、対象クラウド上の付随データとあわせて削除します。


(キリトリ線)

教育用クラウドシステム利用同意書

〇〇市立〇〇学校長 宛

私は、「教育用クラウドサービスのアカウント作成および利用に関するご案内」の内容ならびに個人情報の取り扱い・運用体制について確認・理解し、対象となる児童生徒が本サービスを利用するための一連の手続き(当校管轄からサービス提供事業者に対する情報登録を含む)に関して同意いたします。

提出日:令和  年  月  日
学年組:  年  組
対象児童生徒氏名:_________________
保護者等氏名(自署):_________________ 印


3. 本文書の運用プロセスにおけるポイント

  • 承諾管理の電子化推奨: 紙媒体を用いた回収対応は集計側(教員の方々)に多大な事務的コストを強いる結果となります。本同意書の構成文面を各種フォームツール(Googleフォーム、Microsoft Formsや校務連絡アプリ等)に実装し、「内容に同意する」等のチェックボックスによる「電磁的記録(電子同意)」方式を用いることで、業務フローの大幅な効率化が期待されます。
  • 「同意不可」家庭への代替プロセスの事前策定: 万一同意を得ることが困難な事例が発生した際に備え、「クラウド利用を前提とする当該授業において、どのような代替の手法(紙媒体でのプリント提供や口頭連絡等)を用いて学習権を保障するか」について、学校内の管理職等を交えて事前協議し、統一的ガイドラインを決定しておくことがリスクマネジメント上重要となります。

ヒント
管理者、管理職、自治体の情報担当者の皆様へ
本同意書サンプルは、文部科学省の個人情報取扱等に係る各種ガイドラインを参考に設計された標準的雛形です。実際の運用に供する際には、各自治体の「個人情報保護条例」および管轄部署(法務・総務・コンプライアンス関連等)のレギュレーションとの整合性が確保されているか、必ず事前の照会・レビュー対応を実施してください。


注釈・出典

※1 「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」における各自治体の同意書運用事例を基に標準化


ご相談・お問い合わせ:お問い合わせフォーム(メールの場合は contact@koumulab.jp/校務改善ラボ)

この記事は「校務改善通信」の記事です。ほかの記事もこちらから読めます。

>> 記事一覧にもどる 校務改善ラボTOPにもどる

この記事の執筆・監修

学校現場と教育委員会の双方に関わった経験をもとに、校務改善・ICT・生成AIの実務情報を発信しています。

学校ICTの導入・運用・現場定着に約9年携わり、その前にはエンジニアとして約10年の経験があります。業務フローの整理から改善設計、実装、導入後の定着までを一続きで扱っています。

目次